素材探訪の旅(1) -石材(後編)-
今回の旅の最終目的地、大谷石建造物群集落を見に行く。
昔のメインストリートだったのかも知れない旧道沿いに、農家の立派な大谷石造りの蔵が建ち並ぶ。
コテ絵作りの大黒様がキュートな、組積造の立派な蔵。

柱頭にコリント式っぽい、洒落た飾りを持つ蔵。

震災の影響か、剥落した覆輪目地が地面に散乱している蔵も。

木造の躯体に石を釘で留めつけた蔵。露出した釘頭と、芯ズレした窓が特徴的。

集落の一番奥に、打ち捨てられたような徳次郎(とくじら)石で作られた蔵があった。

徳次郎石は白目でミソがなく上品。
日光石という名前で京都へも運ばれた石なんだとか。

石葺きの屋根を持ち、重厚感あふれている。
朽ち果てた断面から、木造の梁は竹小舞を下地に漆喰で防火仕上げになっていた事が解かる。

一日の見学を終え、薄暮の中を解散。

案内をして下さった、大谷石の語りべ、深大の植松時四郎さんに深謝。
いつかご縁が作れますように、精進いたします。
昔のメインストリートだったのかも知れない旧道沿いに、農家の立派な大谷石造りの蔵が建ち並ぶ。
コテ絵作りの大黒様がキュートな、組積造の立派な蔵。

柱頭にコリント式っぽい、洒落た飾りを持つ蔵。

震災の影響か、剥落した覆輪目地が地面に散乱している蔵も。

木造の躯体に石を釘で留めつけた蔵。露出した釘頭と、芯ズレした窓が特徴的。

集落の一番奥に、打ち捨てられたような徳次郎(とくじら)石で作られた蔵があった。

徳次郎石は白目でミソがなく上品。
日光石という名前で京都へも運ばれた石なんだとか。

石葺きの屋根を持ち、重厚感あふれている。
朽ち果てた断面から、木造の梁は竹小舞を下地に漆喰で防火仕上げになっていた事が解かる。

一日の見学を終え、薄暮の中を解散。

案内をして下さった、大谷石の語りべ、深大の植松時四郎さんに深謝。
いつかご縁が作れますように、精進いたします。
2011-05-20(Fri)
素材探訪の旅(1) -石材(中編)-
二期倶楽部を後にして、バスに揺られる事、1時間半。
鮮やかな黄色い鹿沼土を使った育苗用土の生産農家を数軒通り過ぎた頃、田植えの済んだ水田の先にド迫力でそびえ立つ深岩石の石切場が現れた。


この採掘場には若い職人さんが働いている。

足元の石に楔を打ち込み、息を合わせてゲンノウでカンコンカンコン叩き入れる。
「石が大地から離れた」その瞬間。

生まれたての石は、みずみずしく柔らかくしっとりと青く潤っている。

青味のある青目は強度が高く、黄色味のある白目は高価に取引されるとか。
泉校長はシエナの大理石に色目が似てると言う。
また、温泉旅館の歩廊に使うとゲタの響きがほどよく、御影石みたいにカチンカチンうるさくなくて良いんだよと教えていただく。

深岩石の採掘場では丸ノコやサンダーでテキパキ加工され、石塀となる部材が次々に生み出されていた。

次は地下掘りの、大谷石採掘場へ。
山肌から洞窟に入るように水平方向に掘って行くのかと想像していたが、案内していただいた場所は、駐車場のような平坦地。そこに採掘された大谷石がモニュメントのように鎮座していた。

一角にフェンスで囲われホイストが取り付けられた鉄骨の櫓が…。
フェンスの隙間から下を覗くと、深い深〜い闇があった。

華奢な鉄骨と細い材木で作られた登り桟橋をおっかなびっくり降りて行く。
時々下を覗いては、足がすくみ鼓動が早まる。
高低差50mを降りきって地底の世界へ。

石の間から浸み出す地下水がポチャン。
投光器が不均等に照らす静謐な世界。
普段、職人は2〜3人で作業し、切り出した大谷石をホイストで吊り上げるそうだ。


地底で遥か50mの地上を思う。
昨夏にチリの炭鉱落盤事故で作業員33人が69日間も閉じ込められたのは地下700mだったかな…。
暗くジメッとする小さな世界をよく健気に耐えたものだ…などと止まっている換気扇を見つめつつ、多少の息苦しさを感じながら思った。
最盛期には200軒ほどあった採掘場が現在では6軒に減ったと聞く。
しかし、この日見学させていただいた採掘場は昨年掘り始めたそうで、莫大な初期投資を掛けても利益を上げる目論見だとの事。
これから掘り進めて行く予定の図面もしっかり出来ている。

深い地中から掘り出された地球の一部。
際限ある資材を大切に、幸せな第2の人生を与えたいと思った。
後編につづく
鮮やかな黄色い鹿沼土を使った育苗用土の生産農家を数軒通り過ぎた頃、田植えの済んだ水田の先にド迫力でそびえ立つ深岩石の石切場が現れた。


この採掘場には若い職人さんが働いている。

足元の石に楔を打ち込み、息を合わせてゲンノウでカンコンカンコン叩き入れる。
「石が大地から離れた」その瞬間。

生まれたての石は、みずみずしく柔らかくしっとりと青く潤っている。

青味のある青目は強度が高く、黄色味のある白目は高価に取引されるとか。
泉校長はシエナの大理石に色目が似てると言う。
また、温泉旅館の歩廊に使うとゲタの響きがほどよく、御影石みたいにカチンカチンうるさくなくて良いんだよと教えていただく。

深岩石の採掘場では丸ノコやサンダーでテキパキ加工され、石塀となる部材が次々に生み出されていた。

次は地下掘りの、大谷石採掘場へ。
山肌から洞窟に入るように水平方向に掘って行くのかと想像していたが、案内していただいた場所は、駐車場のような平坦地。そこに採掘された大谷石がモニュメントのように鎮座していた。

一角にフェンスで囲われホイストが取り付けられた鉄骨の櫓が…。
フェンスの隙間から下を覗くと、深い深〜い闇があった。

華奢な鉄骨と細い材木で作られた登り桟橋をおっかなびっくり降りて行く。
時々下を覗いては、足がすくみ鼓動が早まる。
高低差50mを降りきって地底の世界へ。

石の間から浸み出す地下水がポチャン。
投光器が不均等に照らす静謐な世界。
普段、職人は2〜3人で作業し、切り出した大谷石をホイストで吊り上げるそうだ。


地底で遥か50mの地上を思う。
昨夏にチリの炭鉱落盤事故で作業員33人が69日間も閉じ込められたのは地下700mだったかな…。
暗くジメッとする小さな世界をよく健気に耐えたものだ…などと止まっている換気扇を見つめつつ、多少の息苦しさを感じながら思った。
最盛期には200軒ほどあった採掘場が現在では6軒に減ったと聞く。
しかし、この日見学させていただいた採掘場は昨年掘り始めたそうで、莫大な初期投資を掛けても利益を上げる目論見だとの事。
これから掘り進めて行く予定の図面もしっかり出来ている。

深い地中から掘り出された地球の一部。
際限ある資材を大切に、幸せな第2の人生を与えたいと思った。
後編につづく
2011-05-20(Fri)
素材探訪の旅(1) −石材(前編)−
家づくり学校2年生の第1回目の授業は、栃木県産石の見学会。
5月14日(土)朝7時に新宿西口を大型の貸切バスが出発し、遠足気分で東北自動車道をひた走る。
途中のPAで現地集合の方々と合流し、那須へと向かう。
那須高原の観光スポットを通り抜け最初の見学地は、芦野石の露天採掘場。
垂直に切り立った山の岩肌はチェーンソーの傷跡だらけ。山の頂上から掘り下げて来た様子が解る。

自然に入った亀裂を避けながら採石するので採算があわない、職人の高齢化、後継者問題など渋い問題を抱えている…という現場の声に耳を傾ける。

芦野石は福島との県境にある山が噴火して出来たアンザン岩の一種との事。
噴火の際の火口は羽鳥湖になり、福島県側で採れる石は白河石という名前で流通している。

岩肌はグレーでセメント板に似た感じ。
チェーンソーで刻んだスリットに楔を打ち込んで切り出す。

セメントとの付きが良く目地が剥げて来ない、水分を吸うので玄関タタキや浴室に向く、ただしエフロが出るのでモルタル接着面にはレッカノンMを浸透させて施主クレームを未然に防ぐ、とは副校長川口氏の弁。

経年変化を良しと思わない向きに、対応策を知識として持つ事は必要不可欠。
芦野石はpHの関係なのか、苔が生える事もあるそうで(海に近いと生えやすいと言う説も…)和モダン使いにも良さそう。

芦野石の採掘場を後にして、車内で栗の入ったお赤飯をいただきながら、次に向かったのは大谷石・芦野石を内外装にふんだんに使った那須のリゾートホテル二期倶楽部。

震災の影響で棟瓦が転んだり、躯体に貼り付けた石が一部落ちていたり、覆輪目地が一部剥落したり、いつもなら美しく水をたたえる水盤に亀裂が入って水漏れしたりと、それでも頑張って安全確認の取れたスペースで営業再開していた二期倶楽部。

セレモニーホールなど内装の壁に使われた大谷石は荘厳な印象を与え、浴室の床の芦野石はお湯に濡れるとしっとりとした深い蒼色になり美しい。


石の力を多いに感じる。

地中から掘り出され、縁あってここへ来た。
端正で静謐な佇まいで凛として存在する石の姿は美しい。

後編へつづく
5月14日(土)朝7時に新宿西口を大型の貸切バスが出発し、遠足気分で東北自動車道をひた走る。
途中のPAで現地集合の方々と合流し、那須へと向かう。
那須高原の観光スポットを通り抜け最初の見学地は、芦野石の露天採掘場。
垂直に切り立った山の岩肌はチェーンソーの傷跡だらけ。山の頂上から掘り下げて来た様子が解る。

自然に入った亀裂を避けながら採石するので採算があわない、職人の高齢化、後継者問題など渋い問題を抱えている…という現場の声に耳を傾ける。

芦野石は福島との県境にある山が噴火して出来たアンザン岩の一種との事。
噴火の際の火口は羽鳥湖になり、福島県側で採れる石は白河石という名前で流通している。

岩肌はグレーでセメント板に似た感じ。
チェーンソーで刻んだスリットに楔を打ち込んで切り出す。

セメントとの付きが良く目地が剥げて来ない、水分を吸うので玄関タタキや浴室に向く、ただしエフロが出るのでモルタル接着面にはレッカノンMを浸透させて施主クレームを未然に防ぐ、とは副校長川口氏の弁。

経年変化を良しと思わない向きに、対応策を知識として持つ事は必要不可欠。
芦野石はpHの関係なのか、苔が生える事もあるそうで(海に近いと生えやすいと言う説も…)和モダン使いにも良さそう。

芦野石の採掘場を後にして、車内で栗の入ったお赤飯をいただきながら、次に向かったのは大谷石・芦野石を内外装にふんだんに使った那須のリゾートホテル二期倶楽部。

震災の影響で棟瓦が転んだり、躯体に貼り付けた石が一部落ちていたり、覆輪目地が一部剥落したり、いつもなら美しく水をたたえる水盤に亀裂が入って水漏れしたりと、それでも頑張って安全確認の取れたスペースで営業再開していた二期倶楽部。

セレモニーホールなど内装の壁に使われた大谷石は荘厳な印象を与え、浴室の床の芦野石はお湯に濡れるとしっとりとした深い蒼色になり美しい。


石の力を多いに感じる。

地中から掘り出され、縁あってここへ来た。
端正で静謐な佇まいで凛として存在する石の姿は美しい。

後編へつづく
2011-05-20(Fri)
葉山の春を歩く。
葉山には散策できる山が住宅地のすぐそばにある。
(って言うか…自然を壊して家を建てて行ったって事なんだろうけど。)
春真っ盛りの山を歩きたくなって、自宅から5分ほどでエントリーできるトレイルに入った。
真っ先に出迎えてくれたのは、タチツボスミレ。

可憐で控えめな花が、そこかしこで咲いていて、とても綺麗。

新緑もまだ出揃っていない山並に山桜の清潔な白さがポツポツ見えて、葉山の山はさながらパッチワークのよう。
以前は高尾山を良く走ったものだけど、葉山の山はなんだか木の種類が違うなぁ…そう言えば森戸川村の村長がそんな事言ってたなと、思い出しながら歩く。
「葉山の里山は照葉樹林帯の北限で、南限はヒマラヤ山脈の南麓。インドの北、ネパールのあたりから三浦半島まで続く光る葉の樹林の帯です。」(by「森戸川村」清水泰蔵村長)

小さな頂に立つ千手観音をお参りして、さらに歩く。

山の懐にすっぽり包まれるようにして、葉山が抱える大問題=ゴミ焼却炉が聳え立つ。

排水から規定を上回る量のダイオキシンが出た問題で、ここ数ヶ月、葉山町ではゴミ焼却炉が使えず、近隣自治体にその処理を頼っている。

尾根から眼下を見下ろすと瓦の向こうに、春の恵み、しらす漁が解禁になった相模湾が見えた。
生のしらす、食べに行こうっと!
(って言うか…自然を壊して家を建てて行ったって事なんだろうけど。)
春真っ盛りの山を歩きたくなって、自宅から5分ほどでエントリーできるトレイルに入った。
真っ先に出迎えてくれたのは、タチツボスミレ。

可憐で控えめな花が、そこかしこで咲いていて、とても綺麗。

新緑もまだ出揃っていない山並に山桜の清潔な白さがポツポツ見えて、葉山の山はさながらパッチワークのよう。
以前は高尾山を良く走ったものだけど、葉山の山はなんだか木の種類が違うなぁ…そう言えば森戸川村の村長がそんな事言ってたなと、思い出しながら歩く。
「葉山の里山は照葉樹林帯の北限で、南限はヒマラヤ山脈の南麓。インドの北、ネパールのあたりから三浦半島まで続く光る葉の樹林の帯です。」(by「森戸川村」清水泰蔵村長)

小さな頂に立つ千手観音をお参りして、さらに歩く。

山の懐にすっぽり包まれるようにして、葉山が抱える大問題=ゴミ焼却炉が聳え立つ。

排水から規定を上回る量のダイオキシンが出た問題で、ここ数ヶ月、葉山町ではゴミ焼却炉が使えず、近隣自治体にその処理を頼っている。

尾根から眼下を見下ろすと瓦の向こうに、春の恵み、しらす漁が解禁になった相模湾が見えた。
生のしらす、食べに行こうっと!
2011-04-14(Thu)
顔の家
夫の実家がある京都へ行って来ました。
近所をブラブラ散歩していると…

『顔の家』
設計 山下和正氏(山下和正建築研究所)
竣工 1974年
所在地 京都市中京区衣棚通二条上ル
用途 併用住宅・スタジオ
※日本建築学会賞受賞作品
少年時代の夫は「顔ビル」と呼んでいたそうです。
なんだか良いねぇ〜
近所をブラブラ散歩していると…

『顔の家』
設計 山下和正氏(山下和正建築研究所)
竣工 1974年
所在地 京都市中京区衣棚通二条上ル
用途 併用住宅・スタジオ
※日本建築学会賞受賞作品
少年時代の夫は「顔ビル」と呼んでいたそうです。
なんだか良いねぇ〜
2011-04-08(Fri)




